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(出典:BANDAI SPIRITS)
一年戦争において地球連邦軍が大量投入した量産型モビルスーツ(MS)「ジム」。ガンダムを基に設計されたこの機体はスペック上では優れた性能を持つとされる。
しかし、劇中ではあまり強い印象を持たれず「やられ役」として描かれることが多い。では、実際のジムの性能はどの程度なのか。他のモビルスーツとの比較を通じてジムの実力を検証する。
スペック上の数値と戦場での活躍にはどのようなギャップがあるのかを詳しく解説していく。
✅チェックポイント!
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ジムは高性能だった!?一年戦争に登場する他のMSと比較
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ガンダムとジムのスペック比較
ジムはガンダムをベースにした量産型モビルスーツ(MS)でありながら、その性能は決して侮れないものであった。
一年戦争時に投入されたジムの基本設計はガンダムとほぼ同等のフレームを使用しており、スペック上では推力重量比やセンサーの有効範囲など、一部の性能がガンダムを上回る点もあった。
ガンダムのジェネレーター出力は1380kWであるのに対し、ジムは1250kWと若干劣るものの全備重量が軽量化されているため、運動性能の面ではむしろ有利だったと考えられる。
また、センサーの有効半径はガンダムの5700mよりもジムの6000mのほうが広く、戦場での索敵能力においては連邦軍にとって有利な要素であった。
しかし、スペック上の優位性がそのまま戦闘能力に直結するとは限らない。実際に劇中描写ではジムの戦闘力はガンダムと比較して劣るように描かれることが多い。
例えば、ガンダムはビームライフルを標準装備していたが、ジムの主兵装はビームスプレーガンであり、射程や威力の面で不利であった。
また、装甲材がルナ・チタニウム合金からチタン・セラミック複合材に変更されたことで防御力も低下している。
こうした点を考慮すると、スペック上の数値だけでは計れない戦闘力の差がガンダムとジムの間には確かに存在していたといえる。
ジムとザクIIの性能差はどれほど?
ジムとザクII(F型)の性能差を比較すると基本的なスペックではジムのほうが明らかに優れている。ザクIIのジェネレーター出力は976kWであり、ジムの1250kWと比較するとかなりの差がある。
推力もジムの55500kgに対し、ザクIIは43300kgと劣るため、運動性能の面でもジムが上回っていたことは明白である。
さらに、センサー有効半径はジムが6000m、ザクIIが3200mであり、ジムのほうが遠距離からの索敵能力に優れていた。これらの数値だけを見ると、ジムはザクIIよりもはるかに高性能なMSであることがわかる。
搭乗するパイロットの技量差
しかし、戦場においては単純なスペックだけでは勝敗が決まらない。ザクIIは一年戦争の初期から配備され、パイロットの熟練度が高い場合が多かった。
一方、ジムは戦争後半に大量生産され、訓練が十分でない新兵が搭乗することも多かったため戦場での活躍が思うようにできなかった可能性がある。
また、ジムのビームスプレーガンは近距離戦向けの武装であり、中距離以上の戦闘ではザクIIのマシンガンに撃ち負けるケースもあった。
結果として、ザクIIとジムの戦力差はスペックほど圧倒的ではなく、実戦では互角に戦う場面も見られたのである。
リック・ドムやゲルググとの戦闘力の違い
リック・ドムやゲルググはザクIIの後継機としてジオン軍が開発した高性能なMSである。リック・ドムは地上用のドムを宇宙戦仕様に改良した機体であり、ホバー移動による高速戦闘を可能にした。
ゲルググはジオン軍初のビーム兵器を標準装備した量産型MSであり、連邦軍のガンダムに匹敵する性能を持っていた。これらの機体とジムを比較すると、ジムが苦戦を強いられた理由が見えてくる。
リックドムとの比較
まず、リック・ドムは高い推力を持ち機動性の面でジムと互角かそれ以上の性能を誇った。特にホバー移動による機動戦闘は直立姿勢で戦うジムとは異なる戦闘スタイルを可能にし、戦場では優位に立つことが多かった。
また、リック・ドムは強力なビーム・バズーカを装備しており、ジムの装甲では一撃で撃破されることもあった。一方でジムは機動力ではある程度対抗できるものの、火力や耐久力では不利な状況にあった。
ゲルググとの比較
ゲルググに関してはジムと比較するのはさらに厳しい。ゲルググはジェネレーター出力1440kW、推力61500kgという高スペックを誇り、さらにビームライフルを標準装備していた。
これはガンダムとほぼ同等の性能であり、ジムのビームスプレーガンでは明らかに火力不足だった。また、装甲の耐久性もゲルググのほうが優れており、正面からの撃ち合いではジムが圧倒される場面も多かった。
ジムの運動性や装甲の弱点とは?
ジムは運動性能の面では優れた数値を持っているが、それを活かせるかどうかは別の問題である。劇中ではジムが敵機に翻弄される場面も多く、機動力の優位性が十分に発揮されているとは言い難い。
その理由のひとつとして、パイロットの技量差が挙げられる。ジムは戦争後期に大量生産され、経験の浅いパイロットが乗ることが多かったため機体の持つポテンシャルを十分に活かしきれなかった可能性がある。
また、装甲材の問題も無視できない。ガンダムがルナ・チタニウム合金を採用していたのに対し、ジムの装甲はコスト削減のためチタン・セラミック複合材が用いられた。
その結果、ザクIIのマシンガンでさえ致命傷になり得る防御力しか持たなかった。特にジムのシールドがルナ・チタニウム製であったという説もあるが、本体の防御力が低いため正面以外からの攻撃には脆弱であったと考えられる。
このように、ジムは数値上のスペックでは優れているものの、戦場では必ずしもその性能を発揮できるわけではなかった。
スペック比較表
機体名 | 頭頂高 | ジェネレーター出力 | 推力 | センサー有効半径 | 全備重量 | 推力重量比 |
---|---|---|---|---|---|---|
ガンダム | 18m | 1380kW | 55500kg | 5700m | 60t | 0.925 |
ジム | 18m | 1250kW | 55500kg | 6000m | 58.8t | 0.943 |
ザクII(F型) | 17.5m | 976kW | 43300kg | 3200m | 73.3t | 0.591 |
リック・ドム | 18.6m | 1199kW | 53000kg | 5400m | 78.6t | 0.674 |
ゲルググ | 19.2m | 1440kW | 61500kg | 6300m | 73.3t | 0.839 |
まとめ:ジムの性能|他のMSとの比較と戦場での評価
以下に記事のポイントをまとめる。
- ジムはガンダムを基にした量産機で基本設計はほぼ共通
- スペック上ではガンダムより軽量で運動性やセンサー性能で優位
- ザクIIと比較するとジェネレーター出力や推力で大きく上回わる
- ザクIIより高性能だがパイロットの技量不足で苦戦を強いられた
- リック・ドムとは機動性が互角だが火力や耐久力では劣る
- ゲルググには性能で大きく劣りビームライフルの有無が戦力差を生んだ
- ジムの装甲はコスト削減のために脆弱で耐久性が低い
- ビームスプレーガンの射程が短く中距離以上の戦闘では不利
- 大量生産されたが、実際の戦果はスペックほど優れたものではなかった
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