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キシリア・ザビが一年戦争で編成して実戦投入したニュータイプ部隊として有名なのが「独立第300戦隊」である。
独立第300戦隊はシャア・アズナブル大佐が率いた部隊で、ララァ・スンなどを擁しニュータイプ専用機も配備されている。
その一方で、キシリアが編成したニュータイプ部隊は”もう一つ”存在している。それが『キマイラ隊』である。
キマイラ隊が組織されたのは一年戦争末期頃で、終戦のわずか1ヵ月前の頃。(ソロモン攻略戦後との説もある)
キマイラ隊にはシャアが率いるニュータイプ部隊のようなニュータイプ専用機が配備されなかったため、一般的には「エースパイロット部隊」とされている。
各地で戦果を挙げたエースたちを招集
キマイラ隊は各地で戦果を挙げたエースパイロットを集めて編成された部隊で、実際にはニュータイプ部隊ではなく”ニュータイプの素質を持った部隊”が正しい。
これは、一年戦争においてニュータイプと呼ばれた人物には、多大な戦果を挙げたエースパイロットが多かったためである。
また、キマイラ隊に配属されたメンバーたちはニュータイプの素質があるかどうかの検査などはされず、フラナガン機関によるバックアップも受けていない。
キマイラ隊のエンブレム
キマイラ隊の部隊エンブレムは、実はキマイラ隊専用に用意されたものではなく、もともとはア・バオア・クー防空戦隊が使用してものを流用したものである。
エース部隊の設立に伴って、キマイラ隊の部隊エンブレムとなった経緯がある。
キマイラ隊の由来
”キマイラ”という部隊名は、この部隊が旗艦とした『ザンジバル級機動巡洋艦キマイラ』が由来となっている。
正し、一般的に部隊名として呼ばれている”キマイラ隊やエース部隊”などは通称であり、この部隊の正式名称は不明とされている。
キマイラ隊部隊構成
キマイラ隊の部隊構成は、旗艦であるザンジバル級機動巡洋艦の他、ムサイ級軽巡洋艦数隻で編成されており、所属するパイロットは全31名いる。
キマイラ隊に所属する”著名”な人物は以下
- ジョニー・ライデン少佐
- ジェラルド・サカイ大尉
- トーマス・クルツ中尉
の3人である。
”真紅の稲妻”の異名を持つ、ジョニー・ライデン少佐はキマイラ隊の第1中隊長を務めている。
前述したように、隊にはニュータイプ専用機は配備されなかったが、エース部隊に相応しく、当時の最新鋭機であるYMS-14ゲルググ24機を中心に配備されている。
- MS-14B高機動型ゲルググ
- MS-14Cゲルググキャノン
など。
訓練中に連邦軍と交戦
キマイラ隊は編成後に「コレヒドール暗礁宙域」と呼ばれる場所で訓練を行っているが、その訓練の際に連邦軍のパトロール隊と遭遇し交戦している。
この交戦でキマイラ隊に被害はなく、連邦軍のマゼラン級戦艦1隻とサラミス級巡洋艦2隻を撃墜している。
しかし、連邦軍側の情報ではコレヒドール暗礁宙域をパトロールしたなどの記録は一切存在しないとする一方で、キマイラ隊は連邦軍のパトロール部隊と6回交戦したなどの記録もあり、不明な点が多い。
奇襲作戦「クラリオン」決行
その後、キマイラ隊はア・バオア・クー攻防戦の直前に、連邦軍のティアンム艦隊と交戦している。
キマイラ隊はムサイ級巡洋艦3隻と、MS-14Cゲルググキャノン12機で、ア・バオア・クーへと進行中の連邦艦隊を後方から奇襲し「サラミス2隻、コロンブス1隻、MS14機、戦闘機22機」を撃沈するという見事な戦果を挙げている。
この奇襲作戦は「クラリオン」作戦と命名されており、連邦軍がア・バオア・クーに集結する時間を遅延させ、ア・バオア・クーの守備を固める時間稼ぎに貢献したとされる。
しかし、この連邦軍の部隊は正しくはティアンム艦隊ではない(ティアンム中将はソロモン攻略戦で既に戦死しているため)。この時期のジオンは戦況が不利に傾いていたこともあり、この戦果を過大報道するためにティアンムの名を意図的に用いたとされる。
また、この戦闘ではキマイラ隊にも被害が出ており、ムサイ1隻が大破、ゲルググキャノン2機が撃破され、3機が中破されるなどの損害が出ている。
ア・バオア・クー攻防戦に参加
キマイラ隊は部隊が編成されて間もなく、訓練も不十分なままにア・バオア・クーの守備に就くようギレン・ザビ総帥から命令が下されている。
大戦末期であったこの時期に、ジオン公国軍に戦力の出し惜しみをする余裕はなかったのである。
キマイラ隊はア・バオア・クー攻防戦で、部隊を3個中隊で構成して出撃。その戦果はエース部隊の名にふさわしく、連邦軍のMSジムやボールなど合計62機を撃墜したとされている。
当然キマイラ隊にも被害が出ており、MS8機が撃墜され”トーマス・クルツ中尉”が戦死、第1中隊長の”ジョニー・ライデン少佐”が行方不明となってしまう。
旗艦であるザンジバル級機動巡洋艦キマイラは沈んではおらず、交戦中に拿捕され連邦軍の支配下に置かれた。
なお、ジェラルド・サカイ大尉はキマイラ隊に所属する著名な人物の中では、一年戦争を生き抜いた数少ない人物である。
サカイ大尉はア・バオア・クー攻防戦後にジオン本国へ帰還し、そのまま終戦を迎えることとなった。
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