ザクといえばヒートホークやザクバズーカが印象的な武装だが、見逃せないのが「ザクマシンガン」である。
「マシンガン」と聞くと軽量な実弾兵器というイメージを抱きがちだが、実はこのザクマシンガンは単なる機関銃では済まされない驚異的な性能を秘めている。
本記事では、この武器の凄まじい火力と現実世界の兵器との比較、さらには実用面での課題や特性について詳しく解説する。
ビーム兵器全盛のモビルスーツ戦において、なぜ実弾兵器が使われていたのか。その理由をザクマシンガンの構造と運用法からひも解いていこう!
✅チェックポイント!
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ザクマシンガンの威力は戦車砲級だった
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現代戦車と同口径の120mm弾
おそらく多くの読者が「マシンガン」と聞いて思い浮かべるのは、歩兵が使用する軽機関銃や中機関銃のような火器だろう。しかし、ザクマシンガンの実際のスペックを見てみると、その常識は通用しない。
というのも、この武器が使用する弾薬の口径はなんと120mm。これは現代の主力戦車、たとえば陸上自衛隊の90式戦車や10式戦車が装備している戦車砲とまったく同じサイズである。
ここで重要なのは、120mmという口径が示す火力の凄まじさである。戦車砲は敵戦車の分厚い装甲を貫通し、一撃で撃破するために設計されている。
つまり、それだけの威力を持った砲弾をザクは機関銃のように連続して撃てるというわけだ。これはもはや「マシンガン」の域を超えており、小型の火砲、あるいは機関砲と呼ぶ方が正確かもしれない。
もし仮に、現代の歩兵がこの120mm弾を手持ち武器として扱おうとすれば、物理的に持ち運ぶことすら困難である。
このように考えると、ザクマシンガンがいかに破格の兵器であるかが見えてくる。名前は「マシンガン」だが、実際には戦車の主砲と同等の威力を持ち、しかもそれを高速で連射するという、現実では考えられない火力投射能力を備えているのだ。
実弾兵器としての脅威
ザクマシンガンの威力は単なる高火力という言葉では片付けられない。そもそも、ビーム兵器が主流となっている宇宙世紀において、なぜ実弾兵器がいまだに有効であり続けているのか。その背景には実弾が持ついくつかの重要な特性がある。
まず、ビーム兵器は強力である一方でエネルギーの供給や冷却に高い技術とコストが必要とされる。さらに、ミノフスキー粒子と呼ばれる特殊な粒子が戦場に展開されると、ビームの精度や誘導性能が大きく制限される。
これに対して、実弾兵器は外部の環境に左右されにくく、確実に物理的なダメージを与えることができるという利点がある。その中でもザクマシンガンのように、超大口径の実弾を高速で連射できる武器は極めて異例である。
例えば、敵モビルスーツの装甲を撃ち抜くのはもちろん、陣地の破壊、車両の撃破、さらにはビーム兵器に頼れない状況での主力武器としても機能するだろう。このため、ザクマシンガンは単なる「旧式の実弾兵器」として片付けることはできない。
このような背景を踏まえれば、ザクマシンガンの脅威は火力だけでなく、戦術的な柔軟性や信頼性においても無視できない存在であることがわかる。
一撃で装甲を貫く火力
例えば現代戦車の主砲が撃ち出す徹甲弾(APFSDS)は、鋼鉄製の複合装甲をも容易に貫通する能力を持っている。ザクマシンガンが120mm弾を採用しているということは、理論上それと同じ貫通力を有していると考えるのが妥当である。
もちろん、実際の弾頭の構造や初速、弾種によってその効果は異なるものの、少なくとも装甲車両やコロニー内部の構造物、さらには一部のモビルスーツに対しても決定的な打撃を与えることができるだろう。
また、連射が可能であるという点は単発で発射される戦車砲とは一線を画す。仮に1発目で目標に命中しなくても、次弾、さらにその次と連続で打ち込むことができるため、命中率の向上が見込める。
戦場においては確実性こそが勝利を左右する要素であり、その意味でもザクマシンガンの連射性は極めて重要である。
いくらビーム兵器が華やかに見えても、実際に「モノを壊す」という行為において、物理的な弾丸の連打ほど確実なものはない。これもまた、ザクマシンガンが恐るべき兵器である一因である。
高火力!ザクマシンガンの問題点と現実性
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反動と初速の問題点
このように、理論上は凄まじい威力を誇るザクマシンガンだが、現実に同様の兵器を運用するとなると、いくつかの大きな問題が立ちはだかる。その中でも特に無視できないのが「反動」と「初速」に関する課題である。
まず、120mmという大口径の砲弾を発射するには、当然ながら強烈な反動が発生する。現代戦車であっても、砲撃時には巨大なリコイルシステムと数十トンの車体全体でその衝撃を吸収している。
それを、二足歩行の人型ロボットが「手持ち」で、しかも「連射」するというのは工学的には到底現実的とは言えない。
一方で、俗説としてザクマシンガンの初速が200m/s程度であるという話もある。これは戦車砲の初速(約1500〜1800m/s)と比べると非常に遅く、むしろグレネードランチャーや対戦車榴弾に近い数値である。
このような低初速であれば、発射時の反動をある程度抑えられるという理屈は成り立つ。ただし、それでもなおザクという機体がこの兵器を自在に扱えている理由は明らかにされていない。
内部のモーションバランサーやジャイロセンサー、装甲材による衝撃吸収など、何らかの高度な技術が前提となっていると考えるのが妥当である。
つまり、ザクマシンガンの現実性には疑問が残るものの、その実在を前提とした場合には、非常に高度な制御技術と反動吸収構造が必要不可欠であるという結論になる。
グレネードランチャーに近い特性
これをさらに掘り下げると、ザクマシンガンは従来の「機関銃」ではなく「連射型グレネードランチャー」と表現した方が近いのではないかという見方が浮かび上がる。
なぜなら、初速が低く、炸裂効果のある弾薬を用いることで、目的に応じた柔軟な攻撃が可能となるからである。
また、徹甲弾のような貫通力重視の弾薬だけでなく、着弾と同時に爆発する高性能榴弾を混在させることで、さまざまな目標に対処できるマルチロールな兵器となり得る。
このような特性は、単一の目標を撃破することに特化したビーム兵器とは異なる価値を持つ。
さらに、実弾兵器は補給の面でも利点がある。ビーム兵器は機体側のジェネレーター出力や冷却効率に依存するが、実弾であれば弾薬さえ持てば火力は確保できる。結果として前線での継戦能力にも優れるのだ。
このような理由から、ザクマシンガンは機関銃というよりも、実質的には近距離・中距離戦闘において広範な攻撃が可能な「爆撃支援兵器」と言えるかもしれない。
実現すれば戦場は激変する
ここで想像してほしい。もし現実の戦場においてザクマシンガンのような兵器が実用化されたとしたらどうなるか。少なくとも現代の戦術や兵器体系は根本的な見直しを迫られることになるだろう。
まず、現在の歩兵部隊では到底太刀打ちできない。仮に1機の「ザク」にザクマシンガンが装備されていた場合、それだけで数十両の戦車や要塞に匹敵する火力を持つ。従来の戦車や火砲の役割は、その多くが代替される可能性すらある。
さらに、戦場における移動力と火力の両立という点でも大きな優位性がある。重火器を抱えて機動できる兵器は少なく、通常は移動と火力のどちらかを犠牲にせざるを得ない。
しかし、ザクのように強靭なフレームと高出力の推進装置を持ち合わせていれば、それが両立してしまう。
このように考えると、ザクマシンガンのような超大口径・多用途・連射可能な兵器は戦場の常識そのものを覆す革命的な存在であることは間違いない。
総括:実は高火力!ザクマシンガンの威力の本質
以下に記事のポイントをまとめる。
- 120mmという口径は現代戦車の主砲と同等のサイズ
- 一般的なマシンガンとは次元の違う火力を持つ
- 高速連射が可能で継続的な火力支援ができる
- 実弾はビームより環境の影響を受けにくく安定して使える
- 多用途な弾薬によって様々な目標に対応できる
- 初速が低いことで反動を抑える設計になっている
- グレネードランチャー的な運用に近い性質を持つ
- 実弾による攻撃は物理的破壊力が明確で信頼性が高い
- ザクの運動性能と組み合わさることで高機動重火器となる
- 現実に存在すれば現代兵器体系を一変させる可能性
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