クリスチーナ・マッケンジー
U.C.0058年生まれ、本名:クリスチーナ・マッケンジー(愛称はクリス)、性別は女性。
U.C.0076年にリボー・コロニーの高校を卒業し、地球連邦軍の士官学校へ入学。U.C.0078年に士官学校を『首席』で卒業し、地球連邦軍へ入隊。
士官学校在学中には宇宙戦闘機のパイロットを目指したとされ、エリート部隊として知られる「戦技研究団」への配属を希望した。
当然ながら、士官学校を首席で卒業するなど優秀な成績が認められ、彼女の希望通りに戦技研究団への配属となる。
ところが、配属直後に『一年戦争』が勃発し、その操縦技術が評価されて試験部隊(宇宙軍統合技術研究本部麾下)へ転属させられてしまう事となってしまう。
転属先でののクリスの役割は、「RXシリーズ」の基礎動作データの収集と、「教育型コンピュータ」の育成であった。
アレックスのテストパイロットへ抜擢
その後、一年戦争後半頃には、RXシリーズの完成をみて試験部隊は再編制される事となる。
ニュータイプ専用機である『RX-78NT-1アレックス』の開発が始まると、『G-4部隊(またはG-4実験部隊とも言う)』が設立され、クリスはアレックスの専任テストパイロットに抜擢された。なお、この頃の階級は中尉。
アレックスはニュータイプ専用機であるため、当然、ニュータイプではないクリスに与えられた機体ではなく、あくまでもテストとして搭乗したにすぎない。
NT-1アレックスは”ニュータイプ部隊”と呼ばれた、ホワイトベースのパイロットで、ニュータイプへと覚醒を果たした「アムロ・レイ」へと送られる予定となっていた。
優秀ではあったがニュータイプではないクリスは、アレックスの敏感過ぎる操作性に不満を洩らすこともあった。
また、クリスのテストパイロット抜擢には諸説ある。
クリスはもとはシステムエンジニアであり、アレックスのデータ収集が主な任務であったが、人手不足からテストパイロットも兼任する事となったとされる説もある。
アレックスと共にサイド6(宇宙)へ
地球連邦軍へ入隊し、地球で生活していたクリスは、U.C.0079年12月頃にはNT-1アレックスと共に宇宙へ上がっている。
アレックスの最終テストが行われていたのはクリスの故郷でもあるサイド6(リボー・コロニー)であった。サイド6にはクリスの両親が暮らしており、クリスは実家と連邦軍施設を行き来する生活となる。
また、作品「機動戦士ガンダム 0080 ポケットの中の戦争」でも描かれているように、実家の隣には幼い頃から面識のあった『アルフレッド・イズルハ』の家があった。
”アル”の愛称で呼ばれる少年は、久々に再会したクリスの事を覚えており、少年もクリスの名で呼ぶなど、姉のように慕っていることが分かる。
そんな中、NT-1アレックスは『ニュータイプ用ガンダム』として開発され、ジオン軍もその開発情報をキャッチしていたため、当然ながらアレックスはジオン軍の奪取作戦の対象となっていた。
アレックスの奪取任務には、特殊部隊『サイクロプス隊』が選ばれており、地球での「北極基地襲撃」から宇宙での「ルビコン作戦」へとアレックス奪取任務は継続されていく。
アレックス奪取計画(ルビコン作戦)
一年戦争も末期頃となるU.C.0079年12月19日、ジオン軍によるアレックス奪取計画、ルビコン作戦は決行される事となった。
この作戦時、クリスは陽動のため出撃した『ケンプファー(型式:MS-18E)』と交戦する。ケンプファーのパイロットはサイクロプス隊のミハイル・カミンスキー少尉(愛称はミーシャ)。
ミハイル・カミンスキーは歴戦の猛者であったが、クリスはアレックスの強固な装甲に助けられ、ガトリングガンでケンプファーを撃破する。
その翌日、撃退したケンプファーの傍らでクリスは警察から事情聴取を受けている。コロニー内での昨夜の戦闘によって、「死者246名」、「重軽傷者572名」と、犠牲者の人数を警部から突き付けられる。
クリスは警部からの問いに対し、終始「お答えできません」と冷静に機密保持を貫いた。しかし、クリスは前線で戦う正規のパイロットではなく、ただのテストパイロットであり若干21歳の女性である。
警部の容赦ない酷な言葉に対し、クリスの胸に重く突き刺さったに違いないであろう。
クリスマス作戦
ジオン軍の「ルビコン作戦」が空振りに終わり、サイクロプス隊は新米パイロットの『バーナード・ワイズマン(愛称バーニィ)』ただ一人を残して全員戦死となった。
クリスはバーニィとは少し前から面識があった。少年アルから「腹違いの兄」として紹介されていたのである。アルの両親は当時別居中であったため、クリスはアルの”嘘話”を信じたようである。
当然、クリスとバーニィはお互いが敵対する連邦・ジオンの兵士であることは知らなかった。この2人はお互いに惹かれ合い、恋心を抱いていたのではないだろうか?
しかしクリスはNT-1アレックスのテストパイロット、一方バーニィはNT-1アレックスを奪取する特務部隊。この悲しい関係は最悪の結末を見る事になった。
U.C.0079年12月25日。既にサイクロプス隊は崩壊していたが、バーニィはクリスマスの日に単身、NT-1アレックス撃破の為に出撃する。
バーニィが搭乗した機体はザクⅡ改(型式:MS-06F)であり、一度撃墜された機体であったが、バーニィはこの日の為に少年アルと共に修理を行ってきた。(アルもクリスがアレックスのパイロットである事は知らなかった)
出撃したザクⅡ改を迎え撃つため、クリスはアレックスで出撃する。
先日の戦いのような、多くの犠牲者を出さないため、市街地を避けて森で戦う事を選択したバーニィに対し、クリスもこれに応じて追走した。
戦いの結果は『相打ち』であった。
クリスはザクⅡ改を撃破し、バーニィもまたアレックスを大破させた。サイクロプス隊の、そしてバーニィの目的は達成されたのである。
アレックスはヒートホークで頭部を切断され、クリス負傷。一方のバーニィはビームサーベルでコクピットを貫かれて戦死。
結局、何のためにこのクリスマス作戦が決行されたのか、パイロットは誰だったのか、クリスはその事実を知らぬまま戦いは終わりを迎えた。
再び地球へ
翌年のU.C.0080年1月14日、一年戦争は終結し、NT-1アレックスの大破でお役御免となったクリスは再び地球へと転任する事となった。
地球へ降りる最後の日、アル少年とのやり取りで別れ際に「バーニィに宜しく伝えて」というクリスの言葉には胸を撃たれる。
家族構成
- 父:年齢不明
- 母:年齢不明
- 猫:年齢不明(ペルシャ猫/チンチラ)
- クリスチーナ・マッケンジー:21歳
クリスの父親は恰幅が良く、軍人となったクリスの事を非常に心配していたようである。一方の母親はとても”おっとり”としたした性格であった。夫の心配にも同意しつつも、クリスの仕事に関しては一定の理解を示していた。
マッケンジー家ではペットの猫を1匹飼っており、品種はペルシャ猫のチンチラで、脚が太く毛むくじゃらである。
クリスチーナ・マッケンジー 【名言】
最後にクリスチーナ・マッケンジーの名言をご紹介。
サイクロプス隊による「U.N.メディカル・センター」襲撃の翌日にアルフレッド・イズルハとの会話にて。
『怖いでしょうね・・・でも、怖いのには耐えられるけど、独りぼっちになるのは耐えられないから』
『自分だけ逃げても一人じゃ生きてゆけないもの・・・私』
『私が闘うとすれば、結局は自分のためよ。自分が独りぼっちになるのが怖いから闘うんだと思うの。でも、それは私の生き方。逃げる事もその人の生き方。どっちが正しいとか間違っているとか・・・誰にも決められないことなのよ・・・例えば、そのために人が死ぬわ。でも、闘わなくても死んでいく・・・正しい事なんてどこにもない。自分に出来る事をするしかないんだわ』
(ポケットの中の戦争より)
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